研修医 「What is her indication for induction of labor?」
医学生 「SOBP」
SOBとは通常、shortness of breath息切れの略である(娑婆ではson of a bitchの意)。だが産科の俗語ではSOBPはsick of being pregnant。体重は増えるし、吐き気やむくみなどもういやだ、早く生んじゃいたい、ということ。でも、産科にいたときにfull term/no risk factorsの分娩誘発に関連した子宮破裂の症例をみてしまった以上は、たいては大丈夫でも、必ずしも早ければ早いほうがよい、というものではない。
2009年4月20日月曜日
2009年3月31日火曜日
2009年3月2日月曜日
検査結果の記載法
日本でどういうカルテの書き方をするかは知りませんが、質問をされたので、この(→)skeletonというのは、日本では一般的ではないのかもしれません。枠内に書いたのは、すべて、血液検査の結果です。どこもどんどん電子カルテ化する中で、このshorthandを見かける機会は減ってゆくのかもしれませんが、アメリカでは全国的に、当然のように使われる記載法なので、知って損はないかもしれません。症例発表とかでも、出てきます。ちなみに、最後の肝酵素については、病院によって違った書き方をすることがあるようです。あと、テキストで打ち込んでいる場合は、以下の感じになります。なれていないと、数字と記号の羅列が何の意味だか、わからないかもしれません。
Na / K | Cl / bicarb | BUN / creatinine < glucose
leukocytes > hemoglobin / hematocrit < platelets
興味のある方は、アメリカの医学生が誰でも病棟で携行しているMaxwell
2009年2月20日金曜日
略語の嵐
産婦人科は、特に、ひどいようだ。
結構複雑な患者でも、これで大体、様子がわかるというやつ。それをすらすら読めるのが、おそろしい。
Mrs. Smith is a 35 yo G6P4025 who is PPD#1/POD#0 s/p VAVD + LTCS with IVF di/di twins. Prior pregnancies were all NSVD with no complications, prior course was uncomplicated except for well-controlled GDM and GBS+. She presented Wednesday noon at 35 2/7 WGA with PROM, both twins were vertex per US. Abx ppx was started yesterday morning. Twin A was delivered yesterday night at 10 via VAVD, and twin B via STAT LTCS at 2 this morning 2/2 CPD/AOD and NR-FHT, complicated by PPH. Oxytocin was given and lochia is since minimal, afebrile + HR/RR/BP WNL, PP H/H = 8/24 w no Ssx and UO 500 ml/4hr via FC. Fundus U -1 finger-breath and firm.結構複雑な患者でも、これで大体、様子がわかるというやつ。それをすらすら読めるのが、おそろしい。
2008年12月5日金曜日
SOB
Shortness of breath... 主訴、息切れ
(一般英語ではもちろん、son of a bitch)
患者の聞こえるところで、「あのエス・オー・ビーの患者さんね、...」などと誤解を招くようなことは、決して、いってはいけない。
(一般英語ではもちろん、son of a bitch)
患者の聞こえるところで、「あのエス・オー・ビーの患者さんね、...」などと誤解を招くようなことは、決して、いってはいけない。
2008年11月4日火曜日
カルテは簡潔に(2)
カルテは記号だらけで、独特の言語である。Physical examなんて正常ならば、殆ど文字の羅列で書くことができる(一応、翻訳つき):
VITALS T 36°C Tm 36.5°C HR 80 BP 120/80 (115-125/75-85) RR 20 SPO2 98% (RA) (temperature (24 hour max), heart rate, respiratory rate, blood pressure (24 hour range), O2 saturation on room air)
GEN WDWN NAD (well developed, well nourished, no acute distress)
HEENT NCAT (Head, Ears, Eyes, Nose, Throat, normocephalic, atraumatic)
PERRLA (Pupils equally round and reactive to light and accommodation)
MMM (Mucous membranes moist)
EOMI (Extra ocular movements intact)
NECK supple, full ROM (range of motion)
ØJVD, ØLAD (no juglar venous distension, no lymphadenopathy)
CV RRR ØM/R/G (regular rate and rhythm, no murmurs, rubs, or gallops)
PULM CTAB (clear to auscultation bilaterally)
ABD NTND NABS (abdomen nontender nondistended, normoactive bowel sounds)
EXT Øc/c/e (extremities no cyanosis/clubbing/edema
NEURO CN II-XII intact (Cranial Nerves)
VITALS T 36°C Tm 36.5°C HR 80 BP 120/80 (115-125/75-85) RR 20 SPO2 98% (RA) (temperature (24 hour max), heart rate, respiratory rate, blood pressure (24 hour range), O2 saturation on room air)
GEN WDWN NAD (well developed, well nourished, no acute distress)
HEENT NCAT (Head, Ears, Eyes, Nose, Throat, normocephalic, atraumatic)
PERRLA (Pupils equally round and reactive to light and accommodation)
MMM (Mucous membranes moist)
EOMI (Extra ocular movements intact)
NECK supple, full ROM (range of motion)
ØJVD, ØLAD (no juglar venous distension, no lymphadenopathy)
CV RRR ØM/R/G (regular rate and rhythm, no murmurs, rubs, or gallops)
PULM CTAB (clear to auscultation bilaterally)
ABD NTND NABS (abdomen nontender nondistended, normoactive bowel sounds)
EXT Øc/c/e (extremities no cyanosis/clubbing/edema
NEURO CN II-XII intact (Cranial Nerves)
2008年10月25日土曜日
PITA
(著注:本ブログは多分に脚色を含み、詳細は、現実の症例やできごととは対応しない。)
中近東の平たいパンのことではない。Pain In The Ass (用例、That patient is such a PITA!)。
中近東の平たいパンのことではない。Pain In The Ass (用例、That patient is such a PITA!)。
2008年9月29日月曜日
r/o coprocephaly
(著注:本ブログは多分に脚色を含み、詳細は、現実の症例やできごととは対応しない。)
いろいろな意味で偽病の疑いの強いある患者が、急に湿疹を起こした。レジデントが忙しいのは知っていたが、どうしてもオピオイドを出せとうるさいので「患者XY、右上腕にrubor/calor(確認済み)、Percoset希望、r/o malingering」とポケベルで報告した。
また同じようなことがあったら、「r/o coprocephaly」を使ってみようか知らん。(coprocephaly=shithead)
いろいろな意味で偽病の疑いの強いある患者が、急に湿疹を起こした。レジデントが忙しいのは知っていたが、どうしてもオピオイドを出せとうるさいので「患者XY、右上腕にrubor/calor(確認済み)、Percoset希望、r/o malingering」とポケベルで報告した。
また同じようなことがあったら、「r/o coprocephaly」を使ってみようか知らん。(coprocephaly=shithead)
2008年9月23日火曜日
2008年9月13日土曜日
Asshole NOS
ある患者の退院書類を準備していて、レジデントに、最終診断は何にしましょう、と聞いたら、「Asshole NOS」だって。ワッハッハ。(NOS=not otherwise specified、DSM分類の中で、たとえば診断のはっきりしない情緒障害は、mood disorder NOSなどとなる)
本当に今週はしんどかった。この患者、悪性の覚醒剤の長期乱用で、脳はきっとどろどろに溶けているのだ。でも、人間というのは恐ろしいもので、一見するとふつうに振る舞えるのだ。じっくり込み入った話を聞き出してはじめて、妄想などの酷さがわかる。あと、回診の時は必ず、30秒以内に泣き出す。あまり科学的ではないとらえ方をすると、大脳による制御が解けて、動物的な原初感情があらわになっているのかもしれない。
で、チーム全体で一生懸命よかれとしていることも、あまり受け入れない。覚醒剤で頭どろどろのくせに、出した薬は「頭がおかしくなるから」と拒む。確かに向精神薬はある意味、怖い部分もあるのだが、薬というのは一般的にどれも怖いわけで、それを承知の上で、何もしないよりはよっぽどましだから、と出しているのだ。もうしばらく安定させてからの退院、という予定だったのだが、AMA(against medical advice医者の勧めに反しての退院)で出て行くという。まあ、voluntaryの病棟なので、強制的に入院を継続させたり、ベッドに縛り付けたりするようなことは、しない(できない)のだ。
完全に頭をやられているならいざ知らず、時々、健常に見えるだけに、僕のようなナイーヴな医学生は頭と気持ちを撹乱されて、しんどいのかもしれない。
でなんとか、物質依存の治療施設を紹介して、たぶん処方した薬についてもその重要性をわかってもらえた気はするのだが(気の遠くなるほどの回数、説得した挙げ句)、できる限りのことはした今となってはもう、悪いけれど、さっさと出て行ってほしい。本当はこういう患者じゃなくて、愉快な躁患者とかを、受け持ちたいのだ。
本当に今週はしんどかった。この患者、悪性の覚醒剤の長期乱用で、脳はきっとどろどろに溶けているのだ。でも、人間というのは恐ろしいもので、一見するとふつうに振る舞えるのだ。じっくり込み入った話を聞き出してはじめて、妄想などの酷さがわかる。あと、回診の時は必ず、30秒以内に泣き出す。あまり科学的ではないとらえ方をすると、大脳による制御が解けて、動物的な原初感情があらわになっているのかもしれない。
で、チーム全体で一生懸命よかれとしていることも、あまり受け入れない。覚醒剤で頭どろどろのくせに、出した薬は「頭がおかしくなるから」と拒む。確かに向精神薬はある意味、怖い部分もあるのだが、薬というのは一般的にどれも怖いわけで、それを承知の上で、何もしないよりはよっぽどましだから、と出しているのだ。もうしばらく安定させてからの退院、という予定だったのだが、AMA(against medical advice医者の勧めに反しての退院)で出て行くという。まあ、voluntaryの病棟なので、強制的に入院を継続させたり、ベッドに縛り付けたりするようなことは、しない(できない)のだ。
完全に頭をやられているならいざ知らず、時々、健常に見えるだけに、僕のようなナイーヴな医学生は頭と気持ちを撹乱されて、しんどいのかもしれない。
でなんとか、物質依存の治療施設を紹介して、たぶん処方した薬についてもその重要性をわかってもらえた気はするのだが(気の遠くなるほどの回数、説得した挙げ句)、できる限りのことはした今となってはもう、悪いけれど、さっさと出て行ってほしい。本当はこういう患者じゃなくて、愉快な躁患者とかを、受け持ちたいのだ。
2008年9月8日月曜日
Parole officer
PO
「 PO=per os 経口投与 」かと思いきや、ankle bracelet云々。よく読むと、「PO = Parole officer(仮釈放囚人の監視官)」ということらしい。囚人の居場所を監視するために、踵に追跡のための電波発生ブレスレットをしている、ということ。
「 PO=per os 経口投与 」かと思いきや、ankle bracelet云々。よく読むと、「PO = Parole officer(仮釈放囚人の監視官)」ということらしい。囚人の居場所を監視するために、踵に追跡のための電波発生ブレスレットをしている、ということ。
2008年8月26日火曜日
F/U
カルテにはいろいろな略語があるが、なれていないと時々、変に読んでしまう。たとえば「F/U」。Follow upということなのだが、どうしてもFu*k youに見えてしまう。
で、昨日HI/SI(他殺企図あり、自殺企図あり)といっていた患者さんは、精神科入院病棟に飽きてグループホームに帰りたくなったらしく、今日はHI/SI/PDW全くなしとのこと。以前はデイプログラムの作業療法に通っていたのだが、グループホームの係の話によると、健康保険の削減で、デイプログラムにいかれなくなったという。それでデイプログラムをやめて以来、月に2,3回は地域の救急に現れて、HIとかSIとかいって入院するらしい。要するにattention seekingの偽病なわけだが、こちらとしては致し方ないから、レジデントに習いながら午後、無事退院させた。
ERとか精神科病棟への入院は、社会全体のレベルではとても費用が高くつくわけで、それでもデイプログラムを中止させられてしまうあたりに、アメリカの民間保険の破綻の一端が見られる。いわれてみれば当たり前だが、「貧乏な病人は死んでしまえ」というのが、収益機関としての民間保険の本質なのだ。当然だが、人の幸せなんて、どうでもよい。
ようするに、F/U。
で、昨日HI/SI(他殺企図あり、自殺企図あり)といっていた患者さんは、精神科入院病棟に飽きてグループホームに帰りたくなったらしく、今日はHI/SI/PDW全くなしとのこと。以前はデイプログラムの作業療法に通っていたのだが、グループホームの係の話によると、健康保険の削減で、デイプログラムにいかれなくなったという。それでデイプログラムをやめて以来、月に2,3回は地域の救急に現れて、HIとかSIとかいって入院するらしい。要するにattention seekingの偽病なわけだが、こちらとしては致し方ないから、レジデントに習いながら午後、無事退院させた。
ERとか精神科病棟への入院は、社会全体のレベルではとても費用が高くつくわけで、それでもデイプログラムを中止させられてしまうあたりに、アメリカの民間保険の破綻の一端が見られる。いわれてみれば当たり前だが、「貧乏な病人は死んでしまえ」というのが、収益機関としての民間保険の本質なのだ。当然だが、人の幸せなんて、どうでもよい。
ようするに、F/U。
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