オバチャン、昨日は看護婦さんと冗談を交わしたり、歩きまわったりしていた。まあ、総じていうと健康ではないのだが、やっとリハビリ施設へと退院できるか、という感じだった。
昨晩容態が急変、ICUへ。CXRなど様子をうかがうと、何かの具合での吸引性肺炎に、相違ない。朝の回診では、もう何週間も面倒をみているチームの面々を見渡して、ほっと安堵の一息。ICUチームに引き渡したのだが、「またいつ病棟に戻ってくるの?」という感じのsocial consultであった。
夕方の回診。ICUのconsultをまわるも、その患者さんの部屋の前は素通り。綺麗に掃除されている。ずっと手術に入っていたので、知らなかった。
2009年4月15日水曜日
2008年10月27日月曜日
Hospice 訪問
今日はhospice訪問。Social workerといっしょに患者訪問に出かけた。「死にゆく人を助ける」というのは、何とも不思議な営みだ。まあでもある意味、人は全て、terminalな訳であって、医療の本質がそこにある、ともいえなくもない。生活習慣病などは特にそうだが。
保険が下りるよう、腕の外周などを注意深くカルテに記録するそうだ。体重が増え始めると、保険会社から支払いが止まるのだそうだ。Hospiceを始めると病状の進行が小康状態となることがあるが、そういうふうに明確に下り坂ではない人は、hospiceの対象にはならない。それも、保険会社からの支払いが止まってしまう。だから経済的にはまるで、病状の進行が目的、のような本末転倒な状態にもとれてしまう。まあ、市場主義的保険制度にあっては、無理もない話だが。
保険が下りるよう、腕の外周などを注意深くカルテに記録するそうだ。体重が増え始めると、保険会社から支払いが止まるのだそうだ。Hospiceを始めると病状の進行が小康状態となることがあるが、そういうふうに明確に下り坂ではない人は、hospiceの対象にはならない。それも、保険会社からの支払いが止まってしまう。だから経済的にはまるで、病状の進行が目的、のような本末転倒な状態にもとれてしまう。まあ、市場主義的保険制度にあっては、無理もない話だが。
2008年10月1日水曜日
煉瓦がひとつずつ...
(著注:本ブログは多分に脚色を含み、詳細は、現実の症例やできごととは対応しない。)
脳・肝臓・骨、癌はもう、体中に巣食っている。「体の煉瓦がひとつずつ崩れていく気がする...でも米国市民になったばかりなので、オバマに投票するのが楽しみでしょうがない。」
今日朝のpreroundで形どおり呼吸音などを聞いていたら、「無視してようと思って、誰にも言わなかったんだけれどね」と、頸部リンパ腺が腫れていることを明かされた。「治してくれるかしら?」
そんなこといっても、元も子もないことは、僕も、その患者さんも、周知の上。暫く考えた挙句、苦し紛れに「今、感染症がないかどうか検査で調べているので、もしもそれだったら、抗生剤で腫れは引くかもしれませんよ。」主訴と関連して、何種類かの培養なども出してあるから、うそではない。本音でもないことは、僕も、その患者さんも、周知の上だと思う。体中のリンパ節にも、きっと、癌が巣食っている可能性は、高い。
こんなときに、「なんて恐ろしい生業に足を突っ込んでしまったのだ」と、感じる。もう20年以上も学校教育を受けて、ここまで辿り着いたのだ。患者さんはまさに、生死を、ともに分かち合ってくれている。それでいて、「研究のほうが楽しいもんね~!」なんていうのが、許されるのだろうか。
脳・肝臓・骨、癌はもう、体中に巣食っている。「体の煉瓦がひとつずつ崩れていく気がする...でも米国市民になったばかりなので、オバマに投票するのが楽しみでしょうがない。」
今日朝のpreroundで形どおり呼吸音などを聞いていたら、「無視してようと思って、誰にも言わなかったんだけれどね」と、頸部リンパ腺が腫れていることを明かされた。「治してくれるかしら?」
そんなこといっても、元も子もないことは、僕も、その患者さんも、周知の上。暫く考えた挙句、苦し紛れに「今、感染症がないかどうか検査で調べているので、もしもそれだったら、抗生剤で腫れは引くかもしれませんよ。」主訴と関連して、何種類かの培養なども出してあるから、うそではない。本音でもないことは、僕も、その患者さんも、周知の上だと思う。体中のリンパ節にも、きっと、癌が巣食っている可能性は、高い。
こんなときに、「なんて恐ろしい生業に足を突っ込んでしまったのだ」と、感じる。もう20年以上も学校教育を受けて、ここまで辿り着いたのだ。患者さんはまさに、生死を、ともに分かち合ってくれている。それでいて、「研究のほうが楽しいもんね~!」なんていうのが、許されるのだろうか。
2008年9月28日日曜日
いすに腰掛けて
実習で殆ど朝早くから晩遅くまで病棟につめているのだが、時々同時に内科病棟を回っている10人程度で集まって、講義がある。先日は患者とのコミュニケーションについて、緩和医療をしている先生が講師だった。
遅刻ぎりぎりで病棟から内科のセミナー室に駆けつけたら、最前列に座る羽目になってしまった。でなにやら、患者がどうたらこうたら言っているのを、眠いのをこらえて聞いていたら、いきなりセミナー室を歩き回りながらはなしていた先生が、僕の真前、ひざも触れ合うくらいの位置に立ちどまった。こっちはいすに座っているから、居心地が悪いたらありやしない。
「何じゃこれは」と思いきや。1分ほどそのままの状態で話を続けてから、話の流れで、「ね、こう話されると、嫌な感じでしょ。」だってさ。で「患者の病室を回診する際も、こんな感じになりがちなんだよ」と。患者はベッド、医者は近くにたったら、まさに、そのとおりである。「だから、朝の忙しいときでも、必ず、いすを見つけて座って話すように心がけるといいよ。」ですって。「いすがどうしてもなかったらね、患者さんの許可を得て、ベッドに座るのだって、私はいいと思いますよ。」
だから今日入院をした患者から病歴を取るときには、いすに座って話を聞いた。確かに、いすを見つけるのは10秒と違わないが、患者さんにとってはだいぶ違うのだろう。あと、code statusのとり方(緊急時の蘇生の有無などについて、事前承諾を得る時の話術)についても話していたが、これは相当な高等編。僕にはなかなか難しい。
遅刻ぎりぎりで病棟から内科のセミナー室に駆けつけたら、最前列に座る羽目になってしまった。でなにやら、患者がどうたらこうたら言っているのを、眠いのをこらえて聞いていたら、いきなりセミナー室を歩き回りながらはなしていた先生が、僕の真前、ひざも触れ合うくらいの位置に立ちどまった。こっちはいすに座っているから、居心地が悪いたらありやしない。
「何じゃこれは」と思いきや。1分ほどそのままの状態で話を続けてから、話の流れで、「ね、こう話されると、嫌な感じでしょ。」だってさ。で「患者の病室を回診する際も、こんな感じになりがちなんだよ」と。患者はベッド、医者は近くにたったら、まさに、そのとおりである。「だから、朝の忙しいときでも、必ず、いすを見つけて座って話すように心がけるといいよ。」ですって。「いすがどうしてもなかったらね、患者さんの許可を得て、ベッドに座るのだって、私はいいと思いますよ。」
だから今日入院をした患者から病歴を取るときには、いすに座って話を聞いた。確かに、いすを見つけるのは10秒と違わないが、患者さんにとってはだいぶ違うのだろう。あと、code statusのとり方(緊急時の蘇生の有無などについて、事前承諾を得る時の話術)についても話していたが、これは相当な高等編。僕にはなかなか難しい。
2008年9月4日木曜日
Homicidal Ideation
入院病棟の隣のチームのattendingがお休みなので、精神科の他のattendingがカバーしている。ところがこの代理attending、回診が恐ろしく遅く、評判がとても悪い。でこの問題のattending、宗教上の理由から、妊娠中絶を希望する妊婦を、他殺企図とみなしているらしい。
もちろん、カトリックの教えに従えば、受精の時点から生命が始まるので、中絶は殺人に当たる。事実、うちの大学はカトリックなので、大学病院では中絶目的のD&Cは行っていない。でも今日はresidentたちが顔をつき合わせて、「あのattending、中絶希望の患者を他殺企図あり、ということで強制入院しようとしている...」と本気で心配していた。これ、果たして、合法なのだろうか?
その勢いでいったら本来、今、共和党の党大会で国粋主義的なスローガンを唱えている馬鹿たちも、強制入院させるべきかもしれない。しかもこちらは、石油利権だかなんだかをめぐって、胎児ばかりか、一般市民、婦女をも殺そうという人たちである。
まあ宗教的な原理主義者にありがちなように、そのattendingはたとえば離婚しているのだ(これまたカトリックの教えに大幅に反する)。アメリカには、人間の性悪な面と、善悪の相対性をまったく理解しない馬鹿が、実に多すぎるのだ。本当はそういうのは、中学高校あたりで、卒業すべきであろう。
もちろん、カトリックの教えに従えば、受精の時点から生命が始まるので、中絶は殺人に当たる。事実、うちの大学はカトリックなので、大学病院では中絶目的のD&Cは行っていない。でも今日はresidentたちが顔をつき合わせて、「あのattending、中絶希望の患者を他殺企図あり、ということで強制入院しようとしている...」と本気で心配していた。これ、果たして、合法なのだろうか?
その勢いでいったら本来、今、共和党の党大会で国粋主義的なスローガンを唱えている馬鹿たちも、強制入院させるべきかもしれない。しかもこちらは、石油利権だかなんだかをめぐって、胎児ばかりか、一般市民、婦女をも殺そうという人たちである。
まあ宗教的な原理主義者にありがちなように、そのattendingはたとえば離婚しているのだ(これまたカトリックの教えに大幅に反する)。アメリカには、人間の性悪な面と、善悪の相対性をまったく理解しない馬鹿が、実に多すぎるのだ。本当はそういうのは、中学高校あたりで、卒業すべきであろう。
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