ラベル OBGYN の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル OBGYN の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2009年6月17日水曜日

...she passed at three o'clock...

夜、帰りがけに、一般外科ICU病棟にふらっと立ち寄った。別に強い目的意識があったわけでもないが、ある患者の容態が気になって。この患者は、産婦人科、移植外科、脳外科と3ローテーション・4ヶ月にわたって、間断的に受け持っていた。空っぽの部屋を指さしたら、看護婦さんが、「あら、3時にお亡くなりになったんですよ。」と。まあ、最後だけは静かに息を引き取ったとのこと。

でもいろいろな指導医の判断をみていると、体制に対する猜疑心というか、疑問が発展してきた。その成長も、この患者さんがきっかけ。結局医者というのは本当に患者のためを思っているのか、という点に尽きる。不幸にして、答えがNoであることが、あまりに多いのだ、特に外科医。

2009年4月20日月曜日

早く生んじゃいたい

研修医 「What is her indication for induction of labor?」
医学生 「SOBP」

SOBとは通常、shortness of breath息切れの略である(娑婆ではson of a bitchの意)。だが産科の俗語ではSOBPはsick of being pregnant。体重は増えるし、吐き気やむくみなどもういやだ、早く生んじゃいたい、ということ。でも、産科にいたときにfull term/no risk factorsの分娩誘発に関連した子宮破裂の症例をみてしまった以上は、たいては大丈夫でも、必ずしも早ければ早いほうがよい、というものではない。

2009年4月2日木曜日

A complication of OB/GYN

回診中、4年目レジデントが、「産婦人科関連の手術は、SOB(小腸閉塞)を一番引き起こしやすいんだよね」と教育。すかさず、5年目レジデント曰く、「それは、産婦人科手術の副作用ではなく、産婦人科の副作用だよ」と。

たしかに産婦人科の手術はsterilityがとても難しかったりするのだろうが、いや、産婦人科医がいけないんだ、という。外科では、産婦人科を外科と見なしていない節が、時々みられる。

2009年3月29日日曜日

当直室

周産期病棟で待機しながら本を読んでいたら、コクリ、コクリ。するとちょうど部長先生がとおりかかって、「眠いときは、当直室に行ってらっしゃい、そのためにあるんだよ」とやさしく注意してくださった。ああ、優しい人柄の良好な人たちの科で、よかった。明日から外科だが、総じてmalignantな人が多いという。より時間も厳しいので、疲れて居眠りせぬよう、心して望まないと。

それにしても、研究室が、恋しい。いつ寝ようが、いつ働こうが、結果さえ出していれば、勝手。

2009年3月28日土曜日

産婦人科終了

とりあえず、色々と体験を積みました。試験自体は結構難しかった... というのも、大抵妊婦で出血とか、月経過多・無月経・月経困難とか、問題のシナリオがだんだん混じってきて、頭の中が意味不明に。まあ、病棟では結構ちゃんとがんばったし不可はたぶんなかろうと思うのだが。

2009年3月26日木曜日

男性患者

産科の腫瘍チーム(Gyn-Onc)を回っていると、一般病棟なので、男性患者がいる。周産期病棟とか産科一般がずっと続いていたので、妙に新鮮だ。

で、普通のプレゼンテーションの最初は必ず 「XXX is a YY year old male/female with...」と始まるのだが、産科だとこのfemaleというのを割愛して、場合によってはG5P3023とかなんとか、出産歴をいれる。来週からは一般外科なので、また通常のプレゼンテーションに戻さないといけない。

2009年3月22日日曜日

卵巣ガンと保険適用

一昨日は産婦人科の学生向けの特別講義で、地元の卵巣ガン患者団体のおばさんたちが3人、話をしにきた。いろいろな病院・医学部・一般人向けのセミナーを通して、卵巣ガンの初期症状(腹部の鼓張、膨満、尿意切迫・頻尿、食欲減退・満腹感、腹部・骨盤部の痛み)について教育して回っているのだそうだ。そして、それぞれ自分の診断にいたった経過を話してくださった。



あるおばさんは、理想的な診断だったという。症状を呈して医者にいったら、すぐに放射線科で検査を受けて、治療も2週間以内に開始できたという(このおばさんは連邦政府職員というから、まともな健康保険なのではあるが)。



もう一人のおばさんは、2年以上にもわたって家庭医に無視され続けて、ついにしびれを切らせて専門家にいったら、全身に転移したステージ4だったという。卵巣ガンなどと相関のあるCA-125という糖蛋白マーカーがあるのだが、診断時にはそれが正常値の50倍以上であったという。「私、インターネットで症状を調べていたんです。それで何度、家庭医にCA-125を測定してください、ってお願いしたことでしょう。でも、必要ない、きっとただの逆流症状ですよ、と無視され続けたんですわ。あなたたちは、患者のいうことにもうちょっと耳を傾けるようにしてくださいね。」

このおばさんがわかっていないのは、「CA-125は卵巣ガンのスクリーニングには有効でない」という「エビデンス」が存在していて、それを根拠にたいていの保険屋は、スクリーニング目的ではこの検査に全く支払いがない、ということなのだ。つまり、家庭医の医院でもしもこの患者にCA-125検査を行っていたら、家庭医には一銭も検査費が戻ってこない、つまり、医院にとっては完全なる赤字検査である、ということである。症状がどうであれ、保険屋には関係ない。たとえ検査結果がHH(very high,とても陽性)で、その後卵巣ガンであることが判明したとしても、保険屋には関係ない、100%医院持ちということになる。



つまり、「エビデンス」というのは聞こえはいいし、重要な概念ではあるが、同時に、保険屋のコストカットの手段という側面がぬぐえないのである。一線で「エビデンス」を蓄積している臨床家たちはもちろん、患者のためを思ってやっている。だが同時に、<evidence-based medicineという概念が唱えられ出したのは、アメリカにおいて健康保険が完全資本主義式に転換しつつあった時期と重なっている>という事実も、否めないのだ。

現場で「エビデンス」は、個々人のプロフェショナルとしての判断を奪う手段として、用いられかねないのだ。料理人と、マクドナルドのバイトとの間の距離は、かくして、狭まる。

2009年3月21日土曜日

赤髭先生

一緒にクリニックをやっていた先生。「そう、研究したいのね。まあ臨床も最近は全くお金にならないからね、その意味ではそういう誘惑からは自由になるわよね。思った通りのことをできるのはいいことだわね。」

その先生、お金のない患者さんで還付率の悪い保険に入っていて、高価な検査なんかをすると、事務に出す請求書類に「書き忘れる」のだそうだ。「だってさ、どうせい払えないんでしょ。」

この先paper pusher達がどんどん自動化を通して医者の首を締め付けてゆくと、こういう赤髭行為も不可能になるだろう。

2009年3月19日木曜日

蠕動運動

蠕動運動が腹腔鏡から見える。感動的。しかも、レジデントの信頼を得るとともに、いろいろやらせてもらう範囲も拡大する。あと、ゆっくり丁寧にやって隠していたのだが、縫合が速くて上手いということがばれてしまったらしい。それはそう、小動物の手術になれているものね。そっちの方が人間よりも、よっぽど難しいに決まっている。だって小さいし、しかも小動物はどうしても自分でひっかいてしまうので、それでもきちんと治るためには、結び目の固さや針の目の深さなど、いろいろセンスが必要なのだ。脳みたいな複雑な臓器だと、動物の健康状態によって実験結果が大きく変わってくる、ということを解さない人には、小動物の手術なんていうのは炎症だろうが何だろうが、どうでもよいのだろうけれども。

今日はしかも、マッチデー。MD/PhDの友人(先輩?)はBaltimoreの有名な大学病院にマッチしたが、本来は西海岸に行きたがっていたから、全米1,2のメディカルセンターでも、失意のことと思う。週末に飲もうということになっていたが、これは、やけ酒になるか?

それより何より、結構ちゃんとした雑誌から、とんでもなくどうしようもない論文の査読がきていて、今日が締め切り。まあ、駆け出しはこういう下働きをさせられるのは、研究にしたって臨床にしたって、変わらない。いかにして素知らぬ顔してとんでもない酷評を書くか、これも、臨床と一緒で演技の一種と考えればよかろう。まあ、英語圏の人じゃないし、そういう間違いはちょっと寛容に見逃してあげるといったって、ストーリーがまったくなっていないのはどうにも助けようもない。

2009年3月17日火曜日

Scrubbing In

手洗いというのか、scrubbing、つまり手術の前に入念に手を消毒する。で、その手術にscrub inする際の医学生のマナーというのが、ある。

まず、手術前はなるべく直前まで、患者の移動やFoley(尿道につっこむカテーテル)などの手伝いをする。

だいたい終わった頃合いを見計らってORを出て、手洗い開始。このタイミングがまずは重要である。というのは、絶対に、レジデントやアテンディングよりも先に手洗いを終えてはならないという、暗黙の了解があるからだ。Scrubbingの時間は5分とかなんとか、いろいろ決まってはいるのだが、医学生にとっての決まりは実をいうと一つだけ。レジデントとアテンディングが終わった時に、十分な消毒は完了するのだ。

入念ならばいい、という問題でもない。レジデントとアテンディングよりもあまりに遅く入ると、いろいろなことが始まってしまい、gownなどを着せてくれるscrub nurse/techに迷惑をかけることになる。早く来てretractしろ、とか、文句もいわれかねない。だからレジデントのすぐ後について入っていくのが理想的である。

もしもアテンディングが遅れている場合などは、レジデントが洗い終わったすぐ後に、ついて入るのがよい。ここは迷わず。まごまごして、洗い終わる直前にアテンディングが入ってこようものならば、またアテンディングが終わるまで、手洗いを続けなくてはならないからだ。

特に知らないアテンディングだったりすると、ここらへんの立ち会い前の仕切りの具合で、どれだけいろいろやらせてもらえるか・教えてくれるか、それともずっとRichardsonを引っ張っているだけかが決まるような気がする。

産婦人科の先生方はみんな親切なので、この間合いを遵守すると「あら、いつまでも手洗いして、本当に清潔好きな医学生ですこと。」とか冗談を言われたりもするが、それにしてもこここで、いわゆるKYでないことが認められるわけである。ぶっきらぼうな先生の場合は、ここの間合いが悪いと、逆にそこから意地悪が始まるという。

Diagnostic Laparoscopy

驚くくらい鮮明に、腹腔内が、見える。しかも健康な若い人だから、なおさら。"Fantastic Voyage(ミクロの決死戦,1966)"というのがあったが、そんなのも、顔負けだろう。時間がちょっと余ったので、「こっち肝臓ね、ほら、これ盲腸」、と案内してもらった。「ちょっと、子宮、もうちょっと持ち上げてちょうだい」

染料をちょっと使ったので、じゃあ出る前に掃除するか、ということで、ピュッピュッと生殖水を吹きかけて、チュッチュッと吸い取って。やっぱり、この先、オリンパス株とか、買いかもしれない。

2009年3月13日金曜日

泥酔妊婦

予定日よりもずっと前に陣痛が始まってしまった場合、新生児の予後が悪いから、早産防止薬(tocolytic)を投与する。だが、必ず効くような特効薬はなく、新しい論文が出るたびにみな右にならえするような状況に近いという。

で、ある老教授曰く、「いやね、私が始めた頃なんてアルコールでグデングデンにして早産防止ができるとみんな思っていたものだから、high risk patientの集まる大学病院の周産期病棟なんて、結構なご婦人がアルコールを飲まされて酔っぱらって、とんでもない暴言を吐いたりして、それはそれは、おもしろかった。ワッハッハ。」

2009年3月12日木曜日

I have a feeling...

朝のカンファ。

教授 「この患者さん、○○の治験にちょうどいいんじゃないかしら」
レジデント 「I have a feeling she's really not going to agree to be in any studies...」
一同 「(笑)」

難しい患者は(つまり対応の難しい患者は)、臨床の治験などに含まれる可能性はより低いに決まっている。いくら大教授がどうおっしゃっても、難しい患者は難しい患者、現実に施行するレジデントは日常に追い回されているわけで、必ずしもunbiasedな研究者ではない。ここにもまたひとつ、臨床研究の落とし穴がある気がする。

エビデンス、エビデンスと呪文のように唱えれば何でも治ると思っている節のあるレジデントも見かけたりするが、trialのエビデンスは実験科学者の目から見ると、あまりに多くの交絡因子(有形・無形ふくめ)があって、科学的ではない感がぬぐえない。そうすると、エビデンスもよいが、「臨床的なカン」みたいなのによるevidenceも、馬鹿にはならないということだろう。

2009年3月9日月曜日

Blessed one

看護婦さんの井戸端会議はたいてい、誰のシフトが有利だとか、そういう話が多い。最近流行のダイエット話も多い。

昨日は日曜~月曜当直で、日曜の夜までほとんど誰も患者さんが来なかったので、シフト談義も一区切りまで行き着いて、別のことについてもはなす余裕があったようだ。子供の命名について。何でも、Barackという名前が大流行だそうだ。

Barack a hot name for new babies
By Jennifer 8. Lee
(International Herald Tribune: November 10, 2008)

2009年3月7日土曜日

お産

昨晩の当直はとても親切なレジデントで、出てくる赤ん坊を受け止めさせてもらった。男の子の名前は、もう、忘れてしまったのだが。娑婆の人には、そういう忘却は不思議かもしれないが、名前より、体重とApgarの方を覚えている。

2009年3月6日金曜日

Whiff test

膣分泌物と水酸化カリウムを混ぜて、においをかぐ。その臭いで、膣炎を診断するというやつ。ただでさえ、入浴するという良識のない人も多々いる中で、その上、臭いをかげ、と。

どうも、この科はやっぱり、適性がないらしい。

2009年3月5日木曜日

Men, Women, or Both?

産婦人科では、必ず聞かなければいけない問診事項(Do you sleep with ...)。本来は、性感染症と関連する科では、どこでも、訊くべきということになっている。正確な情報を引き出すためには、「今何時ですか?」みたいに何事もなかったようにさらりときくのがポイント。

「How many alcoholic beverages do you drink every day?」とか、「Do you use recreational drugs?」とかと同じたぐいの質問だ。

2009年3月4日水曜日

Hi, it's Dr. XXX, may I come in?

Attending達はシフト交替で周産期病棟をカバーしている。だから、自分の外来の患者だけではない。ほかのattendingの分まで、たくさんの妊婦の世話をする。初対面の妊婦だって、出産が始まったら世話をするし、緊急で必要だったら帝王切開もする。患者の名前なんて、必ずしも覚えていない。

でも患者からすれば、以前自分の出産に立ち会ったattendingとか、帝王切開したattendingとか、そういうのは忘れないものだ。患者からすれば、一生に一回のかけがえのない関係だから。

医者は覚えていなくても、患者が覚えているかもしれない。本来だったら「患者の名前は全員、完璧に覚えている」というのが理想かもしれないが、現実問題、そうはいかない。だから、事実上のサービス業としては、とても難しい窮地である。

そこであるattendingは、当直で患者の病室をまわるときは必ず、戸をトントンとたたいてから「Dr. XXXですけれど、おじゃましていいかしら?」といって入っていくのだそうだ。「あら、XXX先生、お久しぶりですわ」などと患者の方が自分を覚えているそぶりをみせたら、それなりに対応するのだそうだ。

ちょっとした工夫で、だいぶお客さん(???)の印象も違うという。

2009年3月3日火曜日

What is the indication?

学生 「Mrs. X is a 27 yo G2P1001 presenting at 37w4d for elective R C/S...」
アテンディング 「Why can't she wait, what's her indication for early C/S?」
学生 「Well, she just lost her job on Monday...」
アテンディング 「What the #@%&! ?」
学生 「Well, she just lost her job and her insurance runs out next week...」

失業で来週、健康保険を失うので、保険のあるうちに早めに帝王切開。結構yuppieな女性がこんなことになるんだから、この国の景気は、相当、悪いのだろう。それより何より、この国の市場主義健康保険は、すでに、破綻している。

どこの国も健康保険政策はきつい状況だが、アメリカは、先進世界でダントツに破綻している。というか、老人健康保険や軍人保険をのぞいては、破綻というよりは、そもそも、政策がまったくない。どの統計をみても、それは世界的に歴然。金権主義の強い共和党先生ですら、この破綻に気づきだしているが、だからといってオバマ氏がこの惨状を変革できるかは、不明。



23時間観察入院、というのも同類だ。24時間未満だと、多くの保険会社では入院扱いではなく、処置という分類になり、還付率が入院より高いとか、事前承認が不要、とか。だから、出産しそうにない妊婦は、努めて、23時間目に退院してもらうわけだ。1時間後にまた再入院するのなら、それは、それで、よいらしい。書類や部屋の清掃、静脈確保からなにから、社会全体としては大きな無駄になるわけだが、アメリカというシステムは公共の福利という概念を内包していないため、まあ、致し方ないこの蟻地獄。

2009年3月2日月曜日

産婦人科外来

周産期病棟では、スタッフ用便所を使っていたので気づかなかったが、婦人科外来、男子便所が、ない。患者はもちろん、医者も多くは女性なので、当然といえば当然だが。