2009年8月13日木曜日

近況

無事、Medical Schoolの3年(MD/PhD7年)は修了して、研究「実習」で3ヶ月、ドイツに来ています。

MS-3の最後の方はいろいろ考え事が多くて、ブログもほとんどしていませんでした。研修をするか、しないか。まあだいたい、案件はそこにつきるのですが、結論としては... 卒業後一年間はドイツで研究員の任期を果たしてのち、2011年の夏から1年間は研修をして、免許までは取得することになりそうです。その後は研究一筋のつもりですが、先々状況が変われば、また2年目以降の研修を継続すればいいようなわけです。

免許取得後はまたドイツに戻ってくるオプションが濃厚でしょうか。ドイツの国家試験をとってこっちで研究重視の臨床研修をしたりとか、そんなことまで含めて考えていると、本当に泥沼の考え事で、とにかく悶々とまとまらずにおりました。特にここ数ヶ月、なんだかいろいろな知識が一段と使いこなせるようになってきて、楽しくて楽しくて、それもあって臨床に関しても後ろ髪を引かれる思いが、ことを複雑にしているのだと思います。でも、一流の研究者と一流の上医の両方を目指して、「どちらも二流、あわせて1.5流」、みたいな典型的パターンには陥りたくないし、僕自身複数のことをこなす器用さはないのでとくに危険を感じます。

あと、この先アメリカの医療の崩壊は、今以上に極端な形で進んでいくことが、ほぼ間違いなさそうな世情です。病人の面倒をみるというのは、基本的には金にならない営み。でもアメリカではその「医療」が収益事業であるという倒錯が根強く、それが変わらない限りは、何も改善されない気がするのです。一例を挙げると、先進国はどこもおしなべて医療費の5%程度が事務諸経費に充てられていますが、アメリカでは医療費のなんと1/3が<保険会社の株主>やら、<宣伝広告費>やら、<保険申請の却下をすべく患者(顧客)のカルテの誤記事項などを監査する部署>やらに、消えていっているのです。現状ですら、アメリカで医療に携わることに関しては相当な責任だと感じます。研修中などであれば惨状を無視してもいられるのでしょうけれど、一端見えてしまった世界に目をつぶるのは、難しそうです。

まあ、ブランクの期間のブログについては、メモは残してあるので、ドイツにいる間に少しは遡って書けるかもしれません。