2009年12月15日火曜日

CTをとると癌になる

無害な検査などない。特にX線をたくさんあてるCTなんて、当然、癌のリスクにつながる。もちろん、CTによる診断で得られる効用のほうがどう考えても大きい場合もあるが、そういった複雑な臨床的判断の全体像は、なかなか数字にはしにくい。統計というやつは、複雑に交錯する非線形な「ファジー」には、基本的には対応できないのだ。

日常にしても、医療現場にしても、常識が通じない社会。それがアメリカ式なのだ。インパクトファクターの高いジャーナルで取り上げられてはじめて、大騒ぎ。ハリウッドの追星と、一緒。

2009年12月8日火曜日

2009年12月4日金曜日

Babinski

Myelination? ???

2009年12月2日水曜日

AI

Acting Intern、インターン代行。メディカルスクール4年次の学生は、こう呼ばれる。そして事実上、インターンとして機能することになっている。学校によって、この建前の遵守度は違うようだが、Georgetownは臨床教育が厳しいので有名らしく、本当に、インターンのように、働かせられる。もちろん、免許はまだ取得していないので、オーダーなどはすべてシニアレジデントにcosignしてもらう。でも、書類や患者に対する説明や日々の雑多な医療行為など、特に力のあるシニアレジデントのチームにいると、監視下でうまく泳がせてもらえる。

ドイツから帰ってきて、AI初日。3年生気分の持ち越しで、受け持ち患者について「Do you want to put XXX on YYY?」とシニアに質問したら、「How should I know? You're his doctor!」だって。病院や病気の様子など一通り見えてきて、気を抜きたくなった瞬間に、もう一段と責任を取らせられる。医学教育というのは、そういうものらしい。



「I'm going to put XXX on YYY for ZZZ because AAA. 」といって、オーダーをサインしてもらうのが、正しい。その論理が間違っていれば、その時点で、「No, you should use BBB because CCC.」となる。

検査は鼻くそのようなもの...

今週は、小児科部長がチームの指導医。朝の教授回診で何を言い出すかと思ったら、

...穿る前に、出てきたものをどう処理するかの準備が必要です

だそうだ。まあ、まったく血液・腫瘍・感染症などまず関係のない、その点では健康な子が、誰かが気軽にオーダーした血算で白血球が高めで、どうしようかという相談だったのだが、「これでまたさらに根掘り葉掘り検査をはじめなければならなくなるでしょ」とのこと。



患者さんは通常、検査はよいものとばかり思っている。まあお金がかかるから、という心配を除いては。でも偽陽性や、検査に伴うリスクなどを考え合わせると、それはとんだ誤解である。必要のない検査は、ごく限られたスクリーニング検査を除いては、悪なのである。必要悪ではあっても、よいものでは、決してない。まったく侵襲性のない医療行為というのは存在しないわけで、極端な話、たとえば、病院に一歩踏み入れた瞬間から、感染リスクがなどが始まるのだ。