2010年2月6日土曜日

チャイゴ

夕食を準備しながらふとラジオをつけたら、チャイコフスキーの5番。なぜだか、深く、心に響く。そういえば、学部卒業でアメリカに戻ってMD/PhD課程をはじめる準備をしていた2002年の春も、チャイコフスキを聴いていたような気がする。弦組曲とか。

深い雪の中から春が生まれ、新たな一歩を踏み出すときには、チャイコフスキーなんかが、ちょうどよいのかもしれない。なぜだかチャイコフスキーは雪の中から顔を出す蕗の薹のイメージである。

ブラームズはあまりに暗いし、ベイトーベンはあまりに超越している。モーッツアートは無邪気すぎるし、メンデルゾーンとかシューマンあたりはセンチすぎる。ワグナーにしたってマーラーにしたってああいうのは頑張りすぎで、気乗りしないときは疲れてしまう。ドボルジャークは泥臭すぎ。

来月は、サンフランシスコにてオーディション実習。6月あたりはボストンにいくかもしれない。で、7月からは晴れてドイチュにてHerr Doktor Doktor Takagaki。雪に降り篭められては入るが、春は近い。

2 weeks

アメリカの医師免許試験であるUSMLEは3段階に分かれている。Step 1 (メディカルスクール2年目), Step 2 (メディカルスクール4年目), Step 3 (研修一年目)。Step 2にはさらに、合格・不合格だけの実技の部(Step 2CS)が課せられているが、これは基本的にアメリカ人は落ちないので、廃止が検討されている (5年位前まで、この実技試験は外国医学部卒業者のみに課されていたものだが、その制度に戻そうという計画が検討されているのだ)。

で、このStep 1, 2, 3についてよく言われるのが、「2 months、2 weeks、2 #2 pencils」。#2 pencilとは、日本で言うとHBよりもちょっと硬めの、標準的な鉛筆硬度である。ようするに、最初のStep 1はメディカルスクール2年生の最後と夏休みを全部費やして、2ヶ月間勉強するが、Step 2は2週間、Step 3はまったく勉強せずに鉛筆を2本だけ用意する、という意味。もっとも筆記からコンピュータ試験に移行してだいぶ立つので、この「2 #2 pencils」という洒落も通じなくなってくるのではあろうけれども。

たいていの場合は研修マッチ時点では、Step 1のみの点数が出ている状態なので、Step 2の点数はあまり重要でない。逆に、Step 1が振るわなかった場合は、点数がマッチ前に出るように早めにStep 2を受けて、名誉挽回を目指す場合もあるが、その場合を除いては、先々よっぽど競争の激しいFellowshipに応募するつもりでもなければ、Step 2は合格さえすれば良いのである。だから2 weeks。そして、日々の労働で疲れきったインターンが受けるStep 3という最終段階は、鉛筆だけ。

いずれにしても、Step 2CKまで2週間をきった今、勉強しなければ、というところである。

大雪

現在、大雪が降っている真っ最中。この地域にしては、19世紀以来の、大雪だという。夜中の12時を回っているが、3時間おきくらいに雪かきをしないと、あさって以降、降篭められて大変。ということで、ラーメンをすすりながら夜更かしである。幸い、医学部なんかにいると、30過ぎてもこういう働き方が出来るよう、鍛えられるのだ。

ところで昨日、嵐に備えて買い物に行ったのだが、レジは行列行列。でも、買っているものがおかしい。青果類、肉類・乳製品のケースは空っぽ。でも水とか缶詰とかは殆ど誰も手を出していない。そんなのには目もくれず、みんな頑張って、アイスクリームとかを買いだめていたりする。

災害時には水と保存食。水道管でも破裂したら、とか、そういう発想は起きないらしい。あるいは物流が一週間くらい、滞ったらどうしよう、とか。雪の重みで停電でも起きたらどうしよう、とか。道などわからないような、自動車も埋もれるような大雪で、水道管にしたって電線にしたって、そう簡単には修理できるわけがない。

なのに、「ゆ~きやこんこん、仕事も休みだし家に篭ってテレビでも見ていよう♪」、という発想らしい。家に篭っていたらステーキも食べたいし、アイスクリームも食べたい。頭悪いというか、もう、文明も衰退の兆しだ。本当に何か起きたときが、思いやられる。

2010年2月4日木曜日

2010年2月3日水曜日

Step 2CS 合格

とりあえず、Step 2CSに合格しました。手洗いを何度か忘れてしまったので、これは駄目かと、ひやひやものでしたが、まあ、Georgetownの100%合格率を汚さずにすみました。アメリカのまともな学校で医学教育を受けていたら落ちようのない試験だ、とはいいますが、まあ、嬉しいは嬉しい。

3段階ある国家試験の2段階目(の内の実技)。ここまでくると、1年間の研修をうけて3段階目、免許取得までは完了してしまいたいような気分になってくる。今は楽しくて研究にためになる脳波実習。スケジュール的にも楽なので、こういう気分になってくるのだろう。