2010年6月3日木曜日

MGH実習(1)古株回診

San Franciscoの実習について1回分しか書かないままに終わっているが、メモは残っているのでいずれ書き足すかもしれない。しかし、今月はBostonで、小児神経内科ある。Man's Greatest Hospitalと揶揄?されるMassachusetts General Hospital。しかし、Boston出身としては、しかも、幼いころは親の研究につきあわされてこの空気を吸って育っているので、なんとなく居心地が良い。San Franciscoのようにlaid backなのも良いが、Bostonのように皆が襟を正しているのも、あるていどsnobの素質さえあれば、悪くない。

Bostonの人は早口だという。まあ、その英語を話して育っているので、僕自身はそうとも感じないが。まあacademiaについていうと、若い世代と、年寄りとのはっきり別れる気がする。若い世代はみな、孔雀が羽根を広げるかのような虚勢で、時速120 kmでまくし立てるスタイルが、多い。こういう人、往々にして贅言が多い気もする。偉くなった年よりは、比較的普通のスピードだが、出来る人は言葉の選択が上手い。贅言をそぎ落とした、という感じだろうか。

で、2日目の午後は、発達学の先生で今は半引退・半開業の医師による回診だった。同じような古株の先生が4人そろって、若手は僕と小児神経内科のレジデント2人とで、回診。レジデントが選択した患者(既知の稀な遺伝疾患によって、非常に微妙だが神経症状を呈している女の子)のプレゼンを終えてから、みなで病棟へ。大先生が入念な診察を行ってから、また会議室で鑑別などのディスカッション。こんな小さなグループによるinformalな回診でも、New England Journalのケースレポートのようなディスカッションに発展するところ、やはり、この病院は懐が深い、と感嘆せざるを得ない。もちろん、大筋において、的確な診断が下されたことはいうまでもないが、答えをはじめから知っている方としては、この大先生たちの思考過程を観察するにつけ、研究片手間にやっていたのではやっぱりこの境地は難しいのではないか、と思ったりもする。

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