2010年4月2日金曜日

San Francisco実習(1)

先月一ヶ月は、サンフランシスコのUCSFで、小児消化器の実習を行ってきました。




アメリカの医学部の最終学年(4年)は、どこのメディカルスクールでも殆どが自由選択実習なので、全米のどこで行っても良い。直接の医療以外にも、教授のさえあれば研究とかだって出来る。たとえば居年末は研究「実習」と称して、3ヶ月間、ドイツにポスドクに戻った(もっとも単位は2か月分しか認定されなかったが)。

医学の実習に関していうと、アメリカの認定されたメディカルスクールならどこでも、出身校の学費さえ払っていれば、よそのどこの学校・病院でも実習が出来るというシステムが整っている。あるいは、アフリカや南米の低開発国に行って病院で働く同級生も、とても多い。

アメリカの場合は出身校に残るということが必ずしも、良いこととはされない。まあ生え抜きで、出身校で研修を行って、研修終了後10年以内に正教授、なんていうサラブレッドはどこにでもいるが、通常はどうしても、同じところにずっと居座って特にうだつがあがらない場合は即、他所に移る実力・気力がない、と見られがちだ。つまり、研修は他所に移るのが、普通なのである。

それだから、この4年目のElective実習は、研修のオーディション(試用)や研修先決定の材料のために使われる。人気の科や人気病院に応募する同級生は、場合によっては半年近くを他所の学校で行ったりする。あるいはたとえば西海岸出身で、あるいは配偶者が遠距離の場合は、その当地に出向いて4年目の殆どをその地ですごすことだって、可能である。

僕の場合は1年間またドイツで研究してからおそらく、2011年のマッチで小児科のインターンを探すことになるので、小児科インターンのポジションがあるUCSFでオーディションをした。小児科は通常3年の研修だが、1年目インターンだけのPrelimというポジションもある。通常は、Prelimというと一般内科、一般外科、あるいはtransitionalと呼ばれるスーパーローテーションみたいなのの三種類だけであるが、実を言うと小児科のprelimというポジションもあるのだ。まあ殆ど知られていないし、全米で毎年20ポジションだけではあるが。Prelimの一年間を終えると、医師免許が取れ、また、麻酔科・放射線科・神経内科などの後期研修に進む資格が、生じる。ただし、各課(内科・外科・小児科)の専門医資格は、ない。




まあいずれにしても、サンフランシスコはとても気に入ってもらって、とても居心地がよく、また勉強になった。今月は必修の救急実習で比較的暇なので、ぼちぼち、先月の思い出を書き残すこととする。

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