2009年3月18日水曜日

面談

そろそろ、来年度の4年次away electiveの出願をしなくてはならない。(アメリカ国内のメディカルスクールに在学している場合、通常出願費100ドル程度の実費で、よその学校での1ヶ月単位の病院研修が可能だ。まあ、出願して採用されればの話ではあるが。過誤保険などは通常、出身校の保険を適応、外国からの場合は、相互利益がないだけではなく、この過誤保険もネックとなるようだ。マッチ前のオーディションとして、将来働きたい研修病院で行うことが(特に競争の激しい病院や研修課では)通常である。

そのほか、臨床キャリアプランの落としどころがだいたい見えてきたので、それも含めて、病棟で親切に面倒をみていただいた小児科の教授と面談することにした。この先生の旦那さんは実を言うと、著名な理論脳科学者でもある。



で、awayの出願は、各メディカルスクールの在学生のローテーションがあらかた固まる4月後半あたりが、山場なのだ。在学生のローテーションを確保してから、よその学生で、穴を埋める。

実際にawayをするのはいつかというと、通常、4年次の最初は自身の出身校で内科や志望科の4年次acting internship(subinternship)を1ヶ月やって経験を積み、晩夏から初秋にオーディションするというのが通常のスケジュール。面接シーズンの晩秋までにはだいたい皆、終える。僕は研究を1年間はさんで1年遅れのマッチとなるため、冬から春にかけて、そして同級生のマッチが決まったあとも、オーディションが可能である。



Audition awayを行うかどうかについては、賛否両論ある。面接ではある程度コントロールされた状況下で評価されるため、売り込みのうまい場合はオーディションなどしない方がよいような場合だってある。オーディションで1ヶ月いた場合など、ボロが出たり、あるいはたまたまチームが悪かったりして大失敗、なんていうことだってないとはいえない。

僕の場合はおそらく小児科のインターンという普段ないパターンの研修を行うことになりそうなので(小児科は通常、3年一貫教育である)、研修先も全国17カ所の24ポジションに限られる。ごく限られたポジションなので、教授からは、志望順位の高いところの中でなるべくたくさんオーディションをするように、アドバイスをいただいた。あと、君は、面接という限られた時間よりもじっくりと働きぶりをみてもらった方が有利なんじゃないかしら、と。一応、褒め言葉と受け止めておく。



さらに、今までの科での評価からは、「内気すぎる」というのと「もっと自信を持って」というのが何度も出てきたので、それらについても相談した。「自信」については、まあ、経験を積めばどんどん直るだろう、と。特に、希な鑑別もよいが、非常にコモンな鑑別と、あとは危険信号にきちんと対応するような訓練を積めば積むほど、自然に治るだろう、と。つまり、研究のような勉強の仕方だけじゃなくて、もっと実践的な対応もちゃんと経験を積むよう心がけると、楽になるのだと。確かに僕は、本を読めば人生万事解決すると思っている節があることは、否めない。

「内気」については、まあ、あまり無理はすることはないけれども、「これは自分の職業的な仮面だ」という側面を意識すると、気が楽なのではないか、と。まあ臨床の場では普段の生活ではとてもではないが口にできないようなことを訊くたり、とてもではないが他人にはできないような行為を平気で行うことになる。それらが自分の素ではないことをしっかり意識して、白衣と一緒にある人格もまとうような感じを頭のどこかで意識するといいよ、だって。

あとチーム内では、手の空いたときに進んで色々な人に話しかけて手伝うような積極性があると、周りの印象がだいぶ違うんじゃないかしら、だって。あまり黙々と働くのは、よくないようだ。

また、3年生はよっぽど忙しい場合や簡単な患者をのぞいては、すべてレジデントの監督の下であったり、レジデントが後で重要な所見は取り直したりすることになるので、臨床上の役割がだいぶredundantである。4年次のAIになると、そこらへんの責任も一段高まるので、その意味でも役割がはっきりして、自信を持って演技に臨める気も、する。

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