Attending達はシフト交替で周産期病棟をカバーしている。だから、自分の外来の患者だけではない。ほかのattendingの分まで、たくさんの妊婦の世話をする。初対面の妊婦だって、出産が始まったら世話をするし、緊急で必要だったら帝王切開もする。患者の名前なんて、必ずしも覚えていない。
でも患者からすれば、以前自分の出産に立ち会ったattendingとか、帝王切開したattendingとか、そういうのは忘れないものだ。患者からすれば、一生に一回のかけがえのない関係だから。
医者は覚えていなくても、患者が覚えているかもしれない。本来だったら「患者の名前は全員、完璧に覚えている」というのが理想かもしれないが、現実問題、そうはいかない。だから、事実上のサービス業としては、とても難しい窮地である。
そこであるattendingは、当直で患者の病室をまわるときは必ず、戸をトントンとたたいてから「Dr. XXXですけれど、おじゃましていいかしら?」といって入っていくのだそうだ。「あら、XXX先生、お久しぶりですわ」などと患者の方が自分を覚えているそぶりをみせたら、それなりに対応するのだそうだ。
ちょっとした工夫で、だいぶお客さん(???)の印象も違うという。
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