Medical Students Mentoring Workshop:
How to Combine Clinical and Research Careers in Neuroscience
1日半のセミナーに参加したので、メモを残しておきます。
このセミナーはNIHや神経内科学会などの後押しで、主にMD/PhD課程の学生を対象としており、選抜者は旅費・宿泊費無料で参加し、脳科学関連の研究医へのキャリアパスのありかたを考えてゆくというもの。毎年開催されて今回、3回目だという。参加者は全国の有名大学から集まった。開催側は有名大学の神経内科部長や、NINDSの所長、神経内科教授協会の長など、大物揃い。皆この催しに対しては相当本気らしい。
開会の挨拶で、University of Washingtonの神経内科部長で研究医のBruce Ransom氏が挨拶をしたが、そのなかで印象に残った言葉として、
If you don't know where you're going, any path will take you there...
というのがあった。要するに、「何がやりたいか分からないでいると、何をやっても何にもならない」といった位の意味だ。この会は、君らに神経内科・脳科学の研究医というキャリアを、一つの選択肢としてしっかり意識してもらうことが目標である、と。
その後の晩餐会では、ちょうどNINDS所長のStory Landis女史と同席したので、いろいろな話しを聞くことができた。氏は研究の一線は退いてもう大分するものの、政府の神経科学研究関連のトップ官僚として、ウルトラ・プロフェッショナルの実力が感じられた。たとえばどこで誰がどういう研究をしているか、あるいは研究費を支出している各疾患のprevalenceなどといったことに対して恐ろしい博識ぶりであった。
彼女によると、議会や患者団体からは特定疾患への支出を求められるが、scienceはそういう風に前進するものではないし、それを認めだすとなし崩し的に学問の自治が失われるため、基本科研費であるR01(個人が申請する、5年で1億円は超えない程度の科研費)においては特定疾患を大幅に優遇したりはせず、審査会の点数が一定以上にならなければ絶対に金は出さないそうだ。また、最近ぼくはNIHやアメリカの研究予算に対しては悲観的だが、それについてもすごく説得力のある反論をしており、また、あなた方研究医の卵達は将来のneuroscienceを支えるエリートなのだから、心配には及ばない、という意味のことをいっていた。
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