2007年6月22日金曜日

脳科学研究医への道(2) Submarine Neurologist

一年中ほとんど研究室に籠もっていて、年に一回だけ1ヶ月程度、「浮上」して病棟に姿を現す指導医(研究医)を、「潜水艦」と呼ぶらしい。

セミナーの最初の講演は、若手の神経内科研究医によるもので、「最近は潜水艦神経内科医は不可能だと思われがちだが、そんなことはない、ぼくがその好例だ」とのこと。しかも研究医の王道である、専門外来を見る専門医ではなく、一般内科の病棟を担当するという。

研究が直接臨床につながるものであれば、専門医として週1くらいで専門外来に出て、残りは研究室、という王道ももちろん良い。しかし、その先生の研究分野は必ずしも特定疾患と直接的・密接に結びついたものではないため、年に1ヶ月だけ一般神経内科の外来をして、残りは研究室で過ごすという。その1ヶ月は研究のアイディアやモチベーションにはなるが、自分は研究が楽しいし、臨床は年に1ヶ月でたくさんだ、という。

もちろん、特定疾患の専門医として特化することが王道ではあるが、それには、いくつかの弊害があるという。たとえば、人事の異動で同じ病院内のその疾患の専門家が他所に移ると、穴の空いた専門外来を引き受けるようにプレッシャーがかかりやすい、らしい。ところが一般の神経内科だとできる人も多く、比較的人事の融通かきくから、たとえば「年に1ヶ月以上は病棟に出たくない」、といった主張が通りやすいのだそうだ。

こういう研究医のあり方が今時分もまだ可能だとは知らなかったため、有意義な講演であった。



そのほか、神経内科研究医のキャリアのポイント

  • 神経解剖は超重要

  • 臨床研修が終わった頃、または終わる直前に、Woods HoleやCold Spring Harborなどの夏期集中講座で、研修中に衰えた実験の腕をまた磨き、博士の研究とは異なった実験分野についても習得する

  • 医学生として、臨床研修を希望する科(神経内科)を回る際には、必ずAを取るように人一倍努力する

  • 医学生として病棟を回る際には、まず、「その科に進むことを強く考えている」、という意思表示をすること。そうすると、待遇や成績評価が良くなるし、より多くのことを教えてくれる。

  • 医学生として病棟を回る際には、その病棟で1週間が過ぎた時点で指導医を捕まえ、どういう点を改善したらよいか素直に訊く

  • 研修病院を決定する際は、あらゆる人にアドバイスを聞く。その際には、自分の弱点を含め、包み隠さず全てを話す。

  • 自分の出身校の研修には必ず出願する。そうすると、その科のローテーションの成績評価が良くなったりするし、滑り止めにもなる。どうしても出身校が嫌な場合は、出願だけしておいて最後にマッチのランクをつけなければよいだけだ。

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