2009年5月4日月曜日

胆石

小腸移植の最後に、「ああそうだ」という感じでcholecystectomyをした。

移植外科の指導医が主にやったのだが、明らかにcholecystectomyは久しぶりと見えて、しかもこのattendingは途中でフラストレーションをためてしまうような人なので、最後はやけっぱちの乱暴。動脈をligateする前に胆嚢を肝臓からはがし始めるものだから、出血が中々止まらず、さらにフラストレーション(胆嚢は静脈がなく、proximal liverにdrainするわけ)。あまりよく見えないところにやけくそのように自動クリップをたくさん放り込む。そんなに乱暴にやって、間違えてright hepaticとか結んじゃったりしやしないか、と冷や冷やもの。ああでも、そうしたら、切り取ればいいのかな。あるいは今度は、肝移植すればいいだけか?冗談じゃない。

まあ確かに、小腸の血管anastomosesに気を遣ってあまりretractしなかったからfieldが今ひとつ、というのもあるのだろうけれども、それならそれで移植前に胆嚢をやればいいようなもの。こういう計画性のなさとフラストレーションによる乱暴さは、名人とはとてもいえない。そういえばこの指導医は、bedside mannerも最悪である。

まあでも、指導医が勝手にtemper tantrumを起こしている横で、じっくりと皿に取り出された胆嚢標本と胆石をいじくり回すことができたのは、良かった。確かに、堅いし、形状もNetter図譜の通りだ。割ると、何とか割れないこともないが、総じて、小動物の糞を黄緑色のmucoid油に浸したような触感。夜中に関連病院で行った小腸harvestから10時間近くほとんど立ちっぱなしだったので、最後のclosureのあたりとかあまり覚えていないが、胆石だけは、一生忘れまい。

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