一昨日は、朝6時に病院に行って、翌日の午後2時に帰るまで、3回、スプラッターの被害に遭ってしまった。
1回目はJackson-Pratt(術後の切開創から滲出液などを吸引する、drainの一種)の抜去時。インターンから抜くようにいわれた際、「飛び散らないようにしっかりガーゼで押さえるのを、忘れないようにね」と注意されていたのを、もう何度もやっているものだからハイハイと聞き流して油断していた。Scrubsと白衣に血潮が飛んで(血というよりはserosanguinousなのだが、その方が意外と色は鮮やか)、朝っぱらから着替え。あとで、インターンに会って報告したら「だからいわんこっちゃない」とばかりに笑われた。まあ、二度と同じ間違いは繰り返さないだろう。
2回目は臓器採取のドナー。大動脈カテーテル挿入の際に、派手に飛んだのに当たってしまった。心臓チーム2人肝臓チーム3人の計5人目、患者の一番足下の方に立っていたのだが、小腸を横に押さえていたので顔がちょっと中央の方に出ていて、運悪くそこまで飛んだ。マスクから首筋までスプラッタ、ガウンの正面は結構派手に染まった。しかも採取先の病院のORは安っぽいガウンしかおいておらず、しかもオペ看護婦が不慣れで首筋を緩くしめられたもので、首筋は直接当たってしまった。まあとりあえず、オペ看護婦にアルコール綿で拭いてもらって、続行。この病院はオペに全面face shield入りのマスクがおいていなかったので、もしももう少し派手に飛んでいたら、マスクを超えて鼻や眼鏡にも飛ぶところだった。
まあ臓器提供のドナーというのはいろいろ検査を受けていて、HIVとかウイルス肝炎はないし、別にこちらも傷口はないので全く心配ないのだが、それにしてもこういうときに、伊達めがねをしていてよかった、と思うのだ。術後着替えていたら、首筋からscrubsの中を、胸まで滴っていたようだ。疲労のあまり(当直中の未明であった)あまり気にはならなかったが、今から思うとあまり気持ちの良いようなものではない。まあ、丁寧に拭き取った。きっと、ラットのスプラッタに当たりすぎていて、感覚が麻痺しているのだろう。あと、解剖実習の時にはマスクとかちゃんとしないから、飛散した肉片が口に入ったこともあった。あれはさすがに気持ち悪かった。
3回目は採取した臓器の移植。朝の7時で、24時間仮眠だけで走り回っているのでもうフラフラ。よけたのに、完全にはよけきれなかった。門脈の再吻合の際にガウンの正面に当たってしまった。まあこれは、大学病院のちゃんとしたガウンで装備していたし、あたったのは胸より下のガウンだけだったので、たいしたことはない。でも、HIV患者だから、怖いといえば怖い。門脈というのは静脈のくせに、結構、血が入っていたりする。
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