2008年9月4日木曜日

Homicidal Ideation

入院病棟の隣のチームのattendingがお休みなので、精神科の他のattendingがカバーしている。ところがこの代理attending、回診が恐ろしく遅く、評判がとても悪い。でこの問題のattending、宗教上の理由から、妊娠中絶を希望する妊婦を、他殺企図とみなしているらしい。

もちろん、カトリックの教えに従えば、受精の時点から生命が始まるので、中絶は殺人に当たる。事実、うちの大学はカトリックなので、大学病院では中絶目的のD&Cは行っていない。でも今日はresidentたちが顔をつき合わせて、「あのattending、中絶希望の患者を他殺企図あり、ということで強制入院しようとしている...」と本気で心配していた。これ、果たして、合法なのだろうか?

その勢いでいったら本来、今、共和党の党大会で国粋主義的なスローガンを唱えている馬鹿たちも、強制入院させるべきかもしれない。しかもこちらは、石油利権だかなんだかをめぐって、胎児ばかりか、一般市民、婦女をも殺そうという人たちである。

まあ宗教的な原理主義者にありがちなように、そのattendingはたとえば離婚しているのだ(これまたカトリックの教えに大幅に反する)。アメリカには、人間の性悪な面と、善悪の相対性をまったく理解しない馬鹿が、実に多すぎるのだ。本当はそういうのは、中学高校あたりで、卒業すべきであろう。

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