2008年10月25日土曜日

薬品名しりとり

製薬会社が新薬を発表するときには、商売の都合上、brand nameは覚えやすく、generic nameは覚えにくいような命名をしているという。Genericは製薬会社の天敵なのであろう。そんなこともあって、臨床の現場では、よほどacademicな人をのぞいては通常、薬品はbrand nameで呼ばれている。患者に対するテレビ広告(!!!)や啓蒙(?)資料なども、すべて、brand name。

だが、academicな場では、必ず、generic nameが使われる。治験論文やUSMLE、shelf試験などは、generic nameを知らないと、話にならない。よって、哀れな医学生は必ず両方を頭にたたき込まなくてはならない。

特に売れ筋の薬(つまり慢性病で一生涯死ぬまでお客さんの薬)は、flashyな命名だしいろいろな競合薬が飛び交って、大変である。たとえば高脂血症の薬(atorvastatin/LIPITOR, lovastatin/MEVACOR, pravastatin/PRAVACHOL, rosuvastatin/CRESTOR, simvastatin/ZOCORなど)、睡眠薬(zolpidem/AMBIEN, zalepon/SONATA, eszopiclone/LUNESTAなど)、insulin製剤(HUMALOG, NOVOLOG, HUMULIN, NOVOLIN, ULTRALENTE, LANTUS)、セロトニン再吸収阻害抗鬱薬(citalopram/CELEXA, escitalopram/LEXAPRO, fluoxetine/PROZAC, fluvoxamine/LUVOX, paroxetine/PAXIL, sertraline/ZOLOFTなど)。こんな類のよく使われる薬はどれも、口をついて「generic⇔brand」翻訳できなくてはならない。当然それぞれの特質についても概要を知っていないと、困ったりもする。

さらに困ったことに、brand nameは国際的にほとんど統一されていないし、最近では混合製剤に新たに名前をつけたりしているから、これは、大変なことだ。向精神薬を服んでいなくとも、薬屋に、頭をはちゃめちゃに掻き回されているのだ。

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