2008年10月17日金曜日

大学病院内科 最終日

今月は多くのことを頭に詰め込んだ。別に病人は、嫌ではない。学生でも少々は役に立つ、特に病人に近い目線だし、受け持ちも少ないので時間をかけて話を聞けるし、いろいろと説明したり、考えたりもできる。それも、悪い気はしない。

だが、ひとつよくわかったことは、僕にとっては研究室で研究をしていないことは、限りない苦痛である、ということ。大学に入って以来、研究室から遠かったことは、一度もない。親の背中を見ながら研究室を駆け回った少年時代も含めると、その空気なしには息苦しくなることも、不思議ではない。

で、本質的に重要な基礎研究と、臨床をすることとは、本質的に矛盾する。そこらへんはいずれゆっくり議論をまとめたいところだが、まあ、哲学的な矛盾はさておき、競争の厳しい現代における、しかも情報爆発の渦中にある若いキャリアにおいては、まず、時間的制約からして矛盾している。

あきらかに現代は、人間の手に負えない情報量があふれかえっている。でも、それに対応すべき新しい医学も、新しい科学も、未だ生まれてはいない。基本的には、かつての老人たちと同様な振る舞いで、何十倍という情報量を繰ることが、一線では求められるのだ。特定分野において、それが無理であれば、二束のわらじは、さらに、無理というもの。

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