「外科で一番難しいのは、手術に入るかどうかを決めることだ」
ちょっと変人だが、とても人のよいお爺さんアテンディング。コンサルトを回診していて、こんなことを宣った。大病院の入院患者は病気がとても重かったりする。で、外科コンサルトの要は、手術をすることを検討するのではなく、逆に、手術できない人を判別することなのだそうだ。このお爺さん、なぜだか気に入られてよく面倒をみてもらった。なんだかんだ、そういうところで運がよいらしい。
外科と研究は、実をいうと同じような気がする。肝心の勝負は、どこで勝負をかけるかによってだいたいすでに決まっている。そしていったんプロジェクトを始めたら博識とか実験の腕とかが絡んできて、いかにそのプロジェクトはそのプロジェクトなりにまとめ上げるか、腕の見せ所である。つまり、いったんオペに入ったら、あとは、それなりに決着までたどり着かなくてはならないのだ。
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