Pimping。回診やオペ中の口頭試問を、こういう。アメリカにおける医学教育の中心は、実をいうと、このpimpingにあるといって、過言ではない。人望のあるアテンディング・レジデントは必ずpimpingが上手い。こちらの知識の上限をうまく評価して、そのすれすれ上の質問を出してくる。あと、上手なpimperは学習意欲をうまくそそるし、pimp後の説明によってうまくそのテーマの全体像をまとめてくる。つまり、有効なpimperは、pimpeeの2,3枚上手でなければならない。
Pimpする側の方策もあれば、pimpされる側の方策もある。考えついたものを3点ほど。
1. (初等編)余計なことはいわない、きかれたことだけ答える。余計なことをいうと、そこから発展してpimpingが仔細に突入する可能性がある。
2. (中等編)微妙に違う答えをいう。概要においては正しいが、仔細において不正確であったりあやふやだったりする答えは、pimpeeの知識を提示する役割を果たすと同時に、指導医の教えたい欲求も満たすので、とても好適である。
3. (高等編)自信のある方向にpimpを誘導するように、プレゼントする。あるいは、質問者がはっきりとは覚えていないけれどももっともらしいという印象を持つような答えをいう。
そして、たいていの人は「favorite pimp questions」があるから、周りの学生やレジデントときちんとコミュニケーションをとっていると、そこら辺が前ばらしでわかって、よい。これは必ずしもカンニングではない、つまり、その部分についてきちんと勉強するきっかけなので、pimp道の一環なのである。
あと、とても親切で教育熱心なレジデントから教わったのだが、全く知らないときの答えは、「I don't know, but I'll find out」だそうだ。
たとえば、「What pets does she have?」。これ、医学的知識ではないのだが、感染症関連の患者の、いやな人の常套pimp questionだったりする。まあ、微妙に関係がある可能性もないわけではないが、そんなこと10分以内に患者から聞き出せる、訳がない。そんなことをと聞いていたら、肝心の質問を逃してしまう。だから、正解は、「I don't know, but I'll find out」。
参考
http://gidiv.ucsf.edu/course/things/pimping.pdf
0 件のコメント:
コメントを投稿